本研究は、初対面会話における日本語母語話者(JN)と中国語母語話者(CN)の談話への関与のあり方を明らかにするため、談話レベルの相互行為をポライトネスの視点から考察したものである。分析の結果、①JNは「相手話題」フロアを多く導入し、聞き手としての配慮志向が強い一方、CNは「自分話題」フロアを多く導入し、話し手としての自己提示志向が強い傾向が確認された。②話題フロアの連鎖から5つの話題交換パターンが抽出され、その生起分布に有意差が見られた。JNはフェイスバランスの保持を重視する対人配慮的志向を示し、CNはポジティブ・ポライトネスを積極的に導入する高関与的な傾向を示した。これらの違いは、両者の対人距離感覚の差異によるものであることが分かった。