小児リウマチ
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病勢評価に18FFDG-PET/CTが有用であった 高安動脈炎の女子例
伊良部 仁井上 なつみ水田 麻雄清水 正樹
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キーワード: 高安動脈炎, 18FFDG-PET/CT
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2020 年 11 巻 1 号 p. 62-66

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抄録
症例は14歳女子.学校の職業体験で高血圧を指摘され,精査紹介となった.18Ffluorodeoxy glucose positron emission tomography(18FFDG-PET)検査を施行したところ,血液検査で炎症所 見は陰性だったが大動脈弓部~両側内頸動脈壁にFDGの集積を認めた.全身症状と画像所見から 高安動脈炎と診断し,プレドニゾロン(PSL)(30mg/日)を開始した.1か月後の18FFDG-PET検査 でFDG集積が残存しており炎症制御が不十分な可能性も考慮されたが,炎症反応陰性かつ無症状 であることから病勢は安定していると考え,慎重にPSLの減量を開始した.20mg/日へ減量したと ころ増悪し,25mg/日への増量とタクロリムスの併用を開始したが,再度22.5mg/日へ減量したと ころ再燃した.トシリズマブ追加により寛解し,維持できている.高安動脈炎は炎症所見陰性時 に病勢評価に苦慮する場合があり18FFDG-PET検査は活動性を鋭敏に反映しうる有用な検査である と考えられた.
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© 2020 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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