抄録
症例は14歳女子.学校の職業体験で高血圧を指摘され,精査紹介となった.18Ffluorodeoxy
glucose positron emission tomography(18FFDG-PET)検査を施行したところ,血液検査で炎症所
見は陰性だったが大動脈弓部~両側内頸動脈壁にFDGの集積を認めた.全身症状と画像所見から
高安動脈炎と診断し,プレドニゾロン(PSL)(30mg/日)を開始した.1か月後の18FFDG-PET検査
でFDG集積が残存しており炎症制御が不十分な可能性も考慮されたが,炎症反応陰性かつ無症状
であることから病勢は安定していると考え,慎重にPSLの減量を開始した.20mg/日へ減量したと
ころ増悪し,25mg/日への増量とタクロリムスの併用を開始したが,再度22.5mg/日へ減量したと
ころ再燃した.トシリズマブ追加により寛解し,維持できている.高安動脈炎は炎症所見陰性時
に病勢評価に苦慮する場合があり18FFDG-PET検査は活動性を鋭敏に反映しうる有用な検査である
と考えられた.