小児リウマチ
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パンダサインが組織診断に有用であった 小児サルコイドーシスの1 例
榊原 康久田口 律代酒井 武彦谷口 義弘畑 郁江津田 英夫
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2020 年 11 巻 1 号 p. 57-61

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抄録
サルコイドーシスの小児例はまれであるが,小児のぶどう膜炎症例をみた際には鑑別疾患の一 つである.サルコイドーシスの組織診断には他疾患の除外と罹患臓器での非乾酪性類上皮細胞肉 芽腫の病理学的証明が必要である.  症例は14歳,女子.約2週間前からの乾性咳嗽と約5週間前からの両側眼球結膜充血症状があり, ぶどう膜炎と診断された.涙腺や耳下腺,顎下腺の腫脹は認めなかったが,精査にて唾液分泌能 の低下,肺拡散能の低下,胸部CT検査で左肺下葉の結節と両側肺底部の斑状影を認めた.ガリウ ムシンチグラフィ検査では,肺病変への集積亢進はなく,両側涙腺,耳下腺と顎下腺の集積亢進(パ ンダサイン)がみられた.耳下腺の生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと 組織診断した.  パンダサインはガリウムシンチグラフィ検査時にサルコイドーシスでみられる特徴的パターン であり,同所見の存在はサルコイドーシスを強く疑うきっかけとなり,また適切な生検部位の判 断材料にもなる.
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© 2020 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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