小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
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反復するγグロブリン関連無菌性髄膜炎に対してステロイド予防を行った全身性エリテマトーデス女児の1例
金井 宏明沢登 恵美海野 杏奈松下 香子東田 耕輔杉田 完爾
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2009 年 2 巻 1 号 p. 55-60

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抄録
低IgG血症に対するγグロブリン補充時に無菌性髄膜炎を繰り返し,ステロイド投与により発症を 予防できた女児例を経験した.  4歳時に全身性エリテマトーデス(SLE),ループス腎炎を発症,ステロイドパルス,シクロフォス ファミド大量静注療法等の治療後も寛解を維持できず,6歳時にリツキシマブ投与により寛解を維持 できた.5歳時に低IgG血症に対するγグロブリン補充後,無菌性髄膜炎を発症した.その後もγグ ロブリン補充時に同様の髄膜炎を繰り返したため,γグロブリン関連無菌性髄膜炎と診断した.発 症予防のため,製剤や投与速度の変更,プレドゾロニン(PSL)の4~10日間の短期増量を行い,予防 はできなかったが,発症の遅延,軽症化を認めた.以降,γグロブリン投与時にはPSLを15~20mg/ 日に増量し,それを17~19日間かけて漸減することで発症を予防できた.  γグロブリン関連無菌性髄膜炎は,SLEの活動性,製剤の種類,投与量,投与速度とは無関係に発 症し,PSLの中長期増量投与により発症を予防できると考えられた.
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© 2009 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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