抄録
竹の節声帯結節を伴ったMCTDの女児例を経験した.紫斑,出血傾向を主訴に当科を受診し,特発
性血小板減少性紫斑病の診断のもと,ステロイド投与により血小板数は増加した.初診時より抗核抗
体,抗U1-RNP抗体が陽性であり,ステロイド減量中に関節痛,蝶形紅斑が出現し,Raynaud現象も伴っ
たため,MCTDと診断変更した.経過中榎声の増悪もあり,声帯に竹の節声帯結節を認めた. MCTD
に対しステロイドを増量し症状は改善したが,経過中再燃ありステロイドパルス療法を行った.ステ
ロイドパルス療法終了後はステロイドとMMFの併用で再燃なく経過しているが,軽度の嗅声は残存
している,竹の節様声帯結節は多種多様な自己免疫疾患にみられる喉頭病変のひとつである.小児例
の報告は筆者らが調べ得た限りなく,小児ではまれな所見と思われるが,小児科医も認識しておくべ
き所見であると思われた.