小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
血球貧食症候群を合併した小児皮膚筋炎の1例
佐藤 知実吉田 忍岡本 暢彦西澤 嘉四郎多賀 崇
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2010 年 3 巻 1 号 p. 19-22

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抄録
小児皮膚筋炎(JDM)に血球貧食症候群(HPS)を合併することは極めてまれである.今回われわれは, HPSを合併したJDMの12歳女児を経験したので報告する.弛張熱,食欲低下,体重減少を主訴に入 院した.入院時,両膝関節の柊痛のために歩行が困難であり,若年性特発性関節炎を疑い,イブプロフェ ンの投与を開始し,食欲低下と関節痛は改善した.その後ヘリオトロープ疹,ゴットロン徴候が明ら かとなりJDMと診断した.イブプロフェン開始2週後に高熱全身倦怠感を呈し,全身の関節痛も 訴え,血液検査上貧血,血小板減少,逸脱酵素の上昇を認めた.骨髄検査で血球貧食細胞の増加を認め, HPSの合併と診断し,メチルプレドニゾロンパルス療法を行った. JDMに伴うHPSの治療としてステロイドパルス療法は有効であると考えられた.
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© 2010 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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