小児リウマチ
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当院で経」験した若年性皮膚筋炎・多発性筋炎15症例の臨床的検討
スプラット 智恵美金城 紀子
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2010 年 3 巻 2 号 p. 47-52

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抄録
若年性皮膚筋炎(JDM)は血管炎による横紋筋のびまん性炎症や皮膚の非化膿性炎症を特徴とする. 皮膚症状を伴わない多発性筋炎(PM)は小児ではまれである.今回, JDM 13例とPM 2例について, その臨床像を後方視的に検討した.性別は,男児8例,女児7例であった.発症年齢は2か月~11 歳11か月であった.初発症状は紅斑や筋症状が多く認められた.初期治療は経ロステロイド療法が 3例,ステロイド・パルス療法が11例であった.5例で大量γグロブリン療法やメソトレキセート少 量パルス療法を併用した.合併症は,3例で皮膚石灰化,1例に中枢神経症状,2例に内分泌学的異常 を認め,そのうち1例は小腸潰瘍を伴い劇症型が疑われた.2例は初発時からKL-6の上昇を伴う間質 性肺炎を合併していた.劇症型と乳児期発症例ではステロイド減量が困難であり,種々の免疫抑制剤 の併用療法を行ったが疾患コントロールに難渋した.若年性皮膚筋炎の臨床病態は軽症から重症まで スペクトラムが広く,その病態に応じた治療の選択が必要であった.
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© 2010 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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