小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
複雑心奇形を有する若年性特発性関節炎に対するトシリズマブの投与経験
水田 麻雄笠井 和子中岸 保夫三好 麻里
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2015 年 6 巻 1 号 p. 49-52

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抄録
症例は14歳の女子.出生時より単心房,房室中隔欠損,下大静脈欠損,多脾症候群を認め,二心 室修復術,僧帽弁形成術の既往がある.10歳時より股関節の疹痛を認めたが自然に軽快した,しかし その数か月後に右手・両足・膝関節の疼痛を認めたため,当科を紹介受診.抗CCP抗体陽性,リウ マチ因子陽性の多関節型若年性特発性関節炎と診断し,プレドニゾロン(PSL),メトトレキサート (MTX)による治療を開始された.その後,症状は軽快傾向にあり, PSLの減量をすすめていたが,12 歳時に感冒を契機に関節症状が増悪し,PSLを増量するも効果は限定的であったため,生物学的製剤 (トシリズマブ)導入を考慮した.トシリズマブ(TCZ)に関しては, IL-6機能の遮断による心機能へ の影響が明確ではなく,心機能に異常のある児に対してのTCZの作用は検討されていないことから, 本児へのTCZ投与による心機能悪化の可能性が考えられた.導入前の心臓超音波検査では明らかな心 機能の異常は認めなかったことからTCZ投与に至ったが,懸念された副作用は認めず,投与を継続で きた.現在は関節症状が残存しており,PSLの増量と減量を繰り返している.必要に応じて生物学的 製剤のスイッチングも考慮中である.
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© 2015 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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