小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
頻回再発型ネフローゼ症候群の治療中に発症したべーチェット病の男児例
清水 順也尾嶋 有美土屋 弘樹服部 真理子兵頭 勇樹藤永 祥子浦山 建治古城 真秀子金谷 誠久白神 浩史久保 俊英
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2015 年 6 巻 1 号 p. 63-67

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抄録
ネフローゼ症候群(NS)とべーチェット病(BD)の合併は極めてまれである.症例は13歳男児.6 歳時にNSを発症し頻回再発型となったため, mizoribin(MZR)高用量治療の併用を行いNSは長期 寛解維持できた.MZR高用量治療を開始したころから児は歯科矯正治療を始めたが,その後口内炎を 繰り返したり,ときに蕁麻疹様の紅斑が出現したりするようになった.NS発症から7年後に眼発作 を契機にBDと診断した.児はHLA-B51陽性であった. BD,NSいずれもその病因はいまだ明確でな いが,本症例においては,HLAや歯科矯正治療などの口腔粘膜刺激のみならず,ステロイドやMZR などのNSへ対する治療がBD発症・進展に影響していた可能性もある. BD発症のメカニズムを検討 するうえで興味深い症例と考えられたため,報告する.
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© 2015 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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