小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
全身型若年性特発性関節炎の初発時の検査の考察 〜専門家へのアンケート調査を踏まえて
本田 尭金子 詩子鳥羽山 寿子木内 善太郎伊良部 仁
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2018 年 9 巻 1 号 p. 10-15

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抄録
全身型若年性特発性関節炎(s-JIA)の診断において疾患特異的な検査所見はなく,初発時には他 疾患の鑑別のために各種検査が検討される.小児リウマチ学会主催の第5 回小児リウマチ研修会 における研修課題の一環として,講師として参加した17名の小児リウマチ領域の専門医に初発時 に施行する検査について,実施状況をアンケート調査した.骨髄検査は82%の専門医が積極的に 行っていた.関節MRIや血清IL-18値については,専門医間で意見が分かれた.FDG-PETやガリ ウムシンチグラフィーは,積極的に行われることは少なかった.被曝や侵襲性の有無,所属施設 で実施できるか,保険適用か否かなど背景には様々な要因があった.s-JIAの初期臨床像は様々で, 個々の症例ごとに鑑別に必要な検査の重要性が異なるが,一貫して血液・悪性腫瘍の除外は重要 視されており,s-JIAの診療経験豊富な専門医においてもその判断は慎重に行われていると考えら れた.
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© 2018 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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