霊長類研究 Supplement
第20回日本霊長類学会大会
セッションID: B-13
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口頭発表
チンパンジー発達期における垂直木登り運動の比較
中野 良彦
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抄録
霊長類は非常に多様な適応放散をとげたグループであり、その運動様式に関しても様々なタイプを示している。こうした異なった運動カテゴリーに分けられる各種の霊長類において、共通して見られる運動タイプの一つに垂直木登り運動があげられる。その意味で、垂直木登り運動の分析は霊長類の運動の進化についての指標となると考えられ、特に類人猿の行う垂直木登り運動は、ヒトの直立二足歩行の獲得過程を解明する際の大きな手がかりの一つとしても注目されている。そのため、これまで数種の霊長類における垂直木登り運動ついて実験的研究を行ってきた。その結果、見かけ上同様の垂直木登り運動であっても、四肢の運動パターンは独自の機能的特徴を有していることが示されている。次の課題として、こうした木登り運動の機能的特徴がどのように発達するのかについて検討するため、実験的研究を行っている。被験体として岡山県玉野市にある林原自然科学博物館附属類人猿研究センターにおいて飼育されているチンパンジー4頭を用い、同センター職員の方々の協力を得て、定期的にその垂直木登り運動のビデオ撮影を行い、その運動パターンについて分析比較している。各個体の形態的面での発達には、個体差があり、ほぼ同じ時期に生まれた個体同士でも体重差が大きい。そうした面を考慮すると、現在までのところ、発達時期による差よりもこの体重差という要因の方が垂直木登りの運動パターンに与える影響が大きいと考えられる。大型類人猿であるチンパンジーにとって、重力に抗する運動である垂直木登りでは、当然考えられる結果であるが、さらに詳しく検討を進めて発表する。
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© 2004 日本霊長類学会
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