霊長類研究 Supplement
The 20st Congress of Primate Society of Japan
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自由集会
*足立 薫*市野 進一郎*岡本 暁子*中川 尚史*半谷 吾郎*山越 言
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p. iii

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抄録
日本の霊長類学にとって、「社会構造の進化」は、その黎明期より常に最大の関心事のひとつであった。ニホンザルからはじまり、世界各地の霊長類についての初期的研究成果が蓄積されるなか、伊谷純一郎(1987)は集団構成や血縁関係、近親交配の回避といった点に注目しながら、「系統」を重視した社会構造の進化仮説を提出した。いっぽう1980年前後から行動生態学の登場とともに、国内外で、適応度・血縁淘汰・性淘汰といった概念に基づき、個体間の様々な資源をめぐる競合に注目した社会構造の進化についての議論が主流を占めるようになってきた。しかしながら、少なくとも日本の霊長類学の内部においては、「系統」と「資源競合」のそれぞれを重視する異なる立場の両者の議論は噛み合うことなく、すれ違ってきた感がある。ところで、近年の「資源競合」派の議論は、初期の単純な資源競合に基づく議論から細分化し、補食圧、子殺しの有無、進化史上の一過性の出来事、近年の生息地破壊や「系統的慣性」などの条件を複雑に統合して説明する傾向にある。本自由集会は、日本霊長類学会において最近めっきり話題となることの少ない「社会構造の進化」について、近年の諸理論の趨勢、各霊長類種・フィールドにおける新旧理論の検証、伊谷による「系統」的進化説の再評価・批判などを行うことにより、この研究領域への関心を再喚起することを目指している。
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© 2004 by Primate Society of Japan
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