霊長類研究 Supplement
第20回日本霊長類学会大会
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自由集会
サル類の研究利用と動物福祉の向上:“サルを用いる実験遂行のための基本原則”の見直し
*上野 吉一*友永 雅己
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p. iv

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抄録
霊長類を研究の対象とするものにとって、野生下での保護と飼育下での福祉の問題は常に意識に留めておかなければならない問題である。日本霊長類学会には保護委員会が設けられており、たとえば和歌山のタイワンザル問題や旧環境庁の鳥獣保護管理計画などに対する意見書を関係省庁などに提出するといった継続的な活動をおこなっている。一方、福祉に関しては1985年に本学会として、当時の日本においてはきわめて画期的といえる「サル類を用いる実験遂行のための基本原則」を策定し、霊長類の実験利用に対する研究者の意識の向上を求めた。しかし、その後18年経過した現在まで、自由集会などで動物福祉に関連する議論は継続的におこなわれるものの、そうした議論にもとづく具体的なアウトプットは残念ながらほとんどないままの状態が続いている。世界的に見て動物福祉に対して社会一般が求めるものは急速に厳しいものとなってきており、特に霊長類を研究対象とする場合は強い規制を受けるようになってきている。また我が国においてはこれまで動物実験に対する明確な法の規制はなかったが、1999年に制定された「動愛法」の5年経過後の見直しの際には動物実験に関する事項も盛り込まれる可能性がある。また、研究用霊長類(特にニホンザル)の国による供給事業として、ナショナル・バイオリソースプロジェクトにもとづくマカク・バイオリソース計画(MBR)が、岡崎の生理学研究所が中核機関となり進められている。この計画には、民間企業に加え、京都大学霊長類研究所も繁殖・供給施設の1つとして参加しており、生産者・利用者の両面において研究者が深く関わることとなっ た。こうした諸々の動向から、霊長類を対象とする我が国の研究者集団として、霊長類の”正しい”利用を再確認すべき時宜と言えるだろう。そこで、本自由集会においては、「基本原則」の見直しをもとに、現状での妥当性を検討し必要であればその改善について議論する。
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© 2004 日本霊長類学会
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