抄録
1950年代に和歌山市大池地区に住み着いたタイワンザルは、その後ニホンザルの雄と交雑しながら個体数を増加させていった。1998年和歌山市大池地域から南へ約20数km離れた中津村で大池地域出生のタイワンザルとニホンザルの交雑オス個体が捕獲された。大池地域からタイワンザルおよび混血ザルの分散を防ぐために、2002年より本格的に群れの除去が開始された。
(目的)タイワンザルおよび交雑個体の行動圏および頭数をモニタリングして捕獲との関係を調査した。
(方法)ラジオテレメトリー法と直接観察法により群れの行動圏と頭数のカウントを実施した。
(結果と考察)大池地域で2002年から2004年の3カ年で計243頭が捕獲除去された。調査開始1999年に確認できた群れは孟子群と沖野々群であったが、2002年には孟子群が分裂し2群に、2003年には沖野々群が分裂し2群となり計4群となった。2004年のカウント調査では孟子1群8−約30頭、孟子2群9−30頭、沖野々1群3頭、沖野々2群30頭で合計約50−80頭と予想された。沖野々1群は2004年の8月の捕獲で発信器個体を除くすべての個体を捕獲することができた。群れの除去にほぼ成功した。過去の行動圏と比較すると孟子2群は分布域を北側へ移動させた。他3群の行動域には大きな変化はなかった。過去3カ年で3月の捕獲が最も多かったが、今年度3月の捕獲は2頭のみであった。和歌山タイワンザルの捕獲は難しい状況になってきている。