霊長類研究 Supplement
第21回日本霊長類学会大会
セッションID: S-04
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ポスター発表
合成エストロゲンがオス成熟マカクサルの内分泌機能に及ぼす影響について
*伊藤 麻里子託見 健森 琢磨児嶋 千尋渡辺 元田谷 一善林 基治竹中 修清水 慶子
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抄録
精巣をはじめとするオスの内分泌器官の機能調節・維持に関してエストロゲンは重要な役割を演じている。一方、内分泌撹乱物質などの合成エストロゲンは生体内に取り込まれた場合、オスの内分泌機能に様々な影響をもたらすと考えられているが、詳細はメカニズムに関しては不明な点が多い。本研究では、性成熟後のオスマカクサルに合成エストロゲンであるジエチルスチルベストロール(DES)を投与し、血液中の黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インヒビンB、エストラジオール、テストステロン、レプチン濃度について調べた。
(材料および方法)性成熟後のオスのマカクサルにDESを4日間または10日間投与し、投与前、中、後に採血を行った。得られた血液について黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール、テストステロン、レプチンをラジオイムノアッセイ法、インヒビンBをエンザイムイムノアッセイ法にて測定した。
(結果および考察)血液中のLH、FSH、インヒビンB、テストステロン濃度はDES投与後1日目で投与前に比べて急激に減少する傾向が観察された。その後10日目までほぼ、同じレベルを維持した。また、血液中エストラジオール濃度はDES投与1日目より緩やかに減少し、血液中レプチン濃度はDES投与1日目より緩やか増加した。以上の結果から、成熟マカクサルに内分泌撹乱物質の1つであるDESを経口投与することにより、視床下部—下垂体—精巣軸の内分泌機能調節に大きな影響を与えることが明らかになった。
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© 2005 日本霊長類学会
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