霊長類研究 Supplement
第23回日本霊長類学会大会
セッションID: P-24
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ポスター発表
勝山ニホンザル集団において4年間にみられたおとなメスの毛づくろい関係の変化
*中道 正之
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抄録
 旧世界ザルの多くの種で確認されているように、ニホンザルのおとなメス間での毛づくろいは、1)非血縁個体間よりも、血縁個体間で生じやすく、2)劣位個体から優位個体への毛づくろいが、その逆よりも多いことが知られている。しかし、個体レベルで、毛づくろい相手がどのように変わっていくのか、あるいは、変化しないのかなどについては、研究報告は皆無に近い。そこで、勝山ニホンザル集団で、2003年から2006年までの4年間、毎年4月から9月までの6カ月間に、おとなメス(6歳以上のメス、及び出産した5歳齢メス)の毛づくろいエピソードを記録し、個体レベルで分析を試みた。集団が餌場近辺に滞在中に、20分を1セッションとして毛づくろいを記録した。観察対象となったおとなメスの数は、4年の間に、56頭から70頭の間で変動した。観察日数、20分セッション数は年により異なり、おとなメス間で記録した毛づくろいエピソード数は2372から3517であった。尚、本発表は、勝山ニホンザル集団を対象として行っている毛づくろい関係の経年変化に関する研究の中間報告として行う。 母と年長の娘との毛づくろいは、4年の間に、徐々に減少し、20歳を超える娘と25歳を超える母の間では、毛づくろいが全く観察されないペアもあった。同様に、4年の間に、姉妹間の毛づくろいにおいても、高齢の姉と妹たちとの毛づくろいが減少する傾向にあった。他方、姉妹同士の毛づくろいが減少する傾向にあっても、おばと姪の間では、毛づくろいが継続したり、新規に生じたりすることが確認できた。同年齢メス間の毛づくろいも、4年の間に減少する傾向があり、同年に生まれたメスの多くと毛づくろい関係があっても、加齢に伴って、その同年齢の中の特定のメスと親和的関係を維持する傾向があることが明らかになった。
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© 2007 日本霊長類学会
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