霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: B-13
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口頭発表
ヤクシマザルにおける捕獲頭数の地域間比較~保全に向けて
*早石 周平
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抄録
屋久島のニホンザル(Macaca fuscata yakui)は、ポンカン、タンカン、カンショを食害し、一年間の被害金額は2-3千万円を推移している。屋久島町は被害対策として、おもに有害捕獲と電気柵設置を実施している。ここ数年来、一年間に有害捕獲されるニホンザルは500頭を越えており、屋久島個体群を保全する上で、捕獲頭数の的確な管理が望まれる。2007年から発表者の京大霊長研共同利用研究の一環として、屋久島町役場(旧上屋久、屋久両町役場)が記録してきた2004年から2006年度の有害鳥獣捕獲資料を閲覧し、捕獲日、捕獲場所について整理した。各年度の各月捕獲頭数は、70.1±29.5、49.4±23.8、49.7±25.7(平均±SD、以下同じ)であり、ほぼ毎月20頭以上が捕獲されていた。各年度の島内24集落ごとの捕獲頭数は、35.0±29.8、24.7±31.9、24.8±47.8であり、集落ごとに捕獲頭数が大きく異なっていた。また、各年度の各曜日の捕獲実施回数は、43.1±29.3、45.7±10.8、46.4±12.5であり、曜日に関わらず、捕獲を実施する猟友会会員には大きな負担だったと推測される。屋久島は急峻な地形を有する山岳島であるため、住人のおもな生活地域は海岸域にあり、有害捕獲もまた海岸域でのみ実施されている。山域に生息するニホンザルの現況はほとんど把握できていないが、海岸域での捕獲は山域の個体数減少に影響すると推測される。集落は河川の下流域にあるため、集落単位での管理を行うことで上流域=山域のニホンザルを含めた個体群全体の保全に貢献でき、猟友会会員の負担軽減に寄与し、また電気柵設置の費用対効果を検討する際の具体的な根拠として利用できるだろう。今後も集落単位での捕獲記録を継続してもらえるように、屋久島町に提案できる現実的な管理方法について議論を進めたい。
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© 2008 日本霊長類学会
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