抄録
病原微生物学的にも安全で、馴化の進んだ研究用ニホンザルを国内の研究者に安定供給する「ニホンザル」ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBR)は、今年度で発足から7年目を迎える。本発表では、NBRのこれまでの歩みと今後の展望を紹介する。平成14年度から実施されているナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)は、ライフサイエンス研究の基礎・基盤となる生物資源(バイオリソース)について収集・保存・提供を行っている。また、ゲノム等解析など付加価値向上により時代の要請に応えたバイオリソースの整備を行い、2010年までに世界最高水準のバイオリソースを整備・活用の充実を図ることを目標に掲げている。(ナショナルバイオリソースプロジェクト情報公開サイトhttp://www.nbrp.jp/about/about.jsp)。
NBRは、平成14年度にフィージビリティ・スタディとして発足し、繁殖群の形成を開始するとともに全国の需要動向等の調査を行った。平成15年度には、ナショナルバイオリソース「マカクザル」として正式にNBRPへ参画し、リソースの収集・保存・提供を行う拠点(中核機関)である自然科学研究機構・生理学研究所のほかに京都大学霊長類研究所が協力機関(サブ機関)として参加することになった。本プロジェクトは、以下の事業(1)研究用ニホンザルの繁殖・育成体制の整備、(2)研究用ニホンザルの供給事業の実施、(3)NBR事業の広報活動、(4)研究者コミュニティとの連携協力、(5)研究用動物としてのニホンザルの特性に関するデータ収集、(6)血液サンプル等の保存、それら試料の遺伝子解析とデータベースの構築などを実施しつつ、平成23年度までには、年間200頭程度の供給が可能な繁殖・供給体制の構築を目指している。