霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: P-23
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ポスター発表
国内で大型類人猿を飼育する組織について: GAINの活動を通して
*落合-大平 知美倉島 治長谷川 寿一吉川 泰弘松沢 哲郎
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抄録
現在、日本国内で飼育されている大型類人猿は、チンパンジー(Pan troglodytes)、ニシゴリラ(Gorilla gorilla)、ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)とスマトラオランウータン(Pongo abelii)およびその種間雑種である。ヒガシゴリラやボノボはいない。大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)では、研究者と飼育施設とのネットワーク作りや、大型類人猿に関する情報整備に取り組んできた。そうした活動の一環として、平成14年度から国内で大型類人猿を飼育している施設1つ1つを訪問し、飼育個体や飼育環境、個体を所有する組織などについて確認する実地調査をおこなった。今回の発表では、そうした大型類人猿を飼育する組織について報告する。2008年1月1日現在の状況では、国内で大型類人猿を飼育する施設は58施設である。そのうち54施設が一般に「動物園」と呼ばれる施設で、4施設が「研究施設」だった。動物園のうち38施設(70%)が、都や県や市などの地方自治体によって運営もしくは出資がおこなわれている「公立動物園」だった。これら38の公立動物園は、それぞれの地方自治体の局(自治体によっては、部や課など)に位置づけられ、2園以外のすべてが、建設局や観光局、経済局、商工部といった、都市整備としての公園や地域の活性に関わるセクションだった。16の「私立動物園」は、会社による運営もしくは出資が14施設、家族による運営が2施設だった。国内の大型類人猿の個体数はここ数年横ばいの状態であるが、繁殖による世代交代がほとんどおこなわれていないため高齢化が進んでいる。飼育下で持続可能な集団管理をおこなうためには、こうした飼育施設の組織の違いを乗り越えたネットワーク作りが重要だろう。
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© 2008 日本霊長類学会
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