抄録
(目的)野生下の霊長類は能動的に食物資源を探索し、採食に費やす時間は飼育下よりも長い。一方、飼育下では受動的で定時的な給餌スケジュールで、給餌を予期することができる。フサオマキザルでは、不規則な給餌スケジュールは休息・社会行動へ影響するとされている。また採食機会の変化は食物資源をめぐる社会環境も変化させることにもなり、給餌はアニマルウェルフェアに対する重要な影響要因と考えられる。そこで、給餌回数の変化と行動変容との関係を検討し、よりよい給餌方法を探ることを目的とした。
(方法)川崎市夢見ヶ崎動物公園のフサオマキザル(Cebus apella)7個体を観察対象とした。ケージ外側に竹製の給餌器を設置し、食物の種類と1日の全体的な給餌量は一定とし、給餌回数が2回のコントロール条件と、3回、4回、6回、11回の4つの実験条件とを設定をし、2007年10月3日~11月5日の期間に各実験条件をランダムに計5日間ずつ実施した。9:30~15:30の時間帯で1セッション10分間の個体追跡法を用いてビデオ観察録画し、10秒間間隔の1-0サンプリングを用いて観察対象個体の行動を記録した。