霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
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自由集会3 筋形態から見た霊長類学
筋電図法を用いた機能形態学的研究の最近の動向-ロコモーションを中心に-
*日暮 泰男
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p. 108

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抄録
筋の機能を推定するために,解剖学的知見を補う手法として筋電図法が機能形態学分野で用いられてきた。現在も有用性のあるこの手法について,2008年に発行されたIntegrative and Comparative Biology誌48巻2号では小特集が組まれ,その意義と限界が議論されている。2000年以降に発表された,ロコモーションを対象とする筋電図学的研究は少数ではあるものの,機能形態学分野で意義ある成果を報告している。本発表は,ロコモーションにおける筋の機能を理解するために,筋電図法を用いた機能形態学的研究の最近の動向を紹介することから始める。現在の研究は2つの方向性のうちいずれかをもって進められている。ひとつは,筋活動電位を記録すると同時に,筋力や筋の長さの変化などを計測し,筋の機能をより詳細に解明することを目的とするバイオメカニクス分野の研究。もうひとつは,とくに霊長類を研究対象として,霊長類の四足歩行に見られる歩容や運動学的特徴と筋の機能との関連を調べることを目的とする自然人類学的研究である。発表者の所属研究室では,自然人類学的な立場から筋電図学的研究を行ったので,本発表の後半ではその成果を報告する。解剖学的所見から上腕のレトラクタ(retractor)に分類される広背筋,大円筋,大胸筋尾側部は,霊長類の四足歩行では上腕が後方に引っぱられるとき,活動しないか,あるいはわずかな活動電位しか発生させないことが知られている。筋活動電位に見られるこの特徴は霊長類の四足歩行における体重支持の後方移動などとの関連が指摘されている。発表者の所属研究室では,未検討であるマカク類(ニホンザル)を対象とした実験を行い,仮説を検討した。また,三角筋と上腕三頭筋の筋活動電位を計測し,それらの機能についても調べたので,その結果もあわせて発表する。
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© 2009 日本霊長類学会
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