霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: A-5-2
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口頭発表
コスタリカ・サンタロサ国立公園に生息するシロガオオマキザル自然群間の遺伝的関係の解明に向けて
*佐藤 亮子太田 博樹JACK KatharineFEDIGAN Linda河村 正二
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抄録
我々これまでコスタリカ共和国サンタロサ国立公園に生息するシロガオオマキザル(Cebus capucinus)の複数の自然群を対象に色覚に関連するオプシン遺伝子の集団調査を行なってきた。その過程でこれまでに12群,約130個体の糞由来DNAを収集してきた。これは野生動物自然群の遺伝的多様性や群れ間の遺伝的関係性を知る貴重な機会を与える。特に,常染色体性,ミトコンドリアDNA, Y染色体性の自然選択に中立的な遺伝的変異性を総合的に解析することで,性による移出入パターンの違い等に関する,行動観察結果と相補できる情報を得ることが期待できる。また,これらの情報は自然選択の対象となる遺伝的変異の研究における重要な基礎情報ともなる。本発表では中立マーカーを用いたこれらオマキザル群の遺伝的解析の第一報として,ミトコンドリアDNAの集団遺伝学的解析の途中経過を報告する。
互いに隣接しあう5群のほぼ全個体(140個体)について,ミトコンドリアDNAの非コード領域であるD-loop約1 kbをPCR法で増幅単離し,塩基配列決定を行なった。群れごとの配列型頻度構成を調べた結果,メスは5群全体としては多様性を示す一方で群れ内での多様性は低かった。一方オスは群れ内での多様性がより顕著であった。このことはメスに比べてオスが頻繁に群間を移住する母系型の社会構造をとることを示すこれまでの行動観察の結果と一致しており,この遺伝マーカーの妥当性が確認できた。今後,解析対象集団と遺伝マーカーを増やし,本調査地における長期行動観察データの知見と総合しながら,集団サイズの動態なども含めた詳細な集団遺伝学的解析を進める。
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© 2009 日本霊長類学会
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