抄録
アッサムモンキー(Macaca assamensis)の社会行動を調査した。タイ北部Chiang Rai州のWat Tham Pla寺院(20 19'N, 99 51'E)には餌付けされたヒガシ・アッサムモンキー(Macaca a. assamensis)の複雄複雌群が4群生息している。現地のアッサムモンキーを2008年12月26日から2009年1月8日まで約120時間観察しビデオに撮影した。観察された社会行動には以下のものがあった。オトナオスによるオトナオスへのsocial mount,penis touching,body touching。オトナオスによるコドモオスへのpenis sucking。オトナオスとオトナオスによるコドモオスを使ったbridging(triadic male-infant interaction)。オトナオスによるオトナメスへのgenital inspection。オトナメスによるオトナオスへのpresenting。また頻度は低いがオトナメスによるオトナメス及びオトナオスへのsocial mountも観察された。これらと同一または類似した社会行動は,アッサムモンキーに近縁とされるチベットモンキー(Macaca thibetana>)でも報告されている。行動の生起頻度,社会的文脈,機能等の差異は未分析であるが,中国安徽省黄山(30 29'N, 118 11'E)の餌付け群で2002年8月10日から13日までにビデオに撮影したチベットモンキーの社会行動,インド北東部Assam州のTukreshwari(Tukeswari)寺院(26 02'N, 90 38'E)の餌付け群で2009年2月22日から25日まで観察したニシ・アッサムモンキー(Macaca a. pelops)とも比較しつつ,ヒガシ・アッサムモンキーの社会行動について報告する。