霊長類研究 Supplement
第27回日本霊長類学会大会
セッションID: P-45
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ポスター発表
大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の活動:ウェブサイトでの情報管理
*落合-大平 知美打越 万喜子今井 啓雄郷 康広西村 剛伊谷 原一松沢 哲郎
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抄録
 大型類人猿は、人間の本性を理解するうえでも重要な種である。現在、日本国内にはチンパンジー(Pan troglodytes)が53施設で332個体、ゴリラ(Gorilla gorilla)が10施設で22個体、オランウータン(ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)とスマトラオランウータン(Pongo abelii)およびその種間雑種)が21施設で51個体飼育されている(2011年5月1日現在)。それぞれの種は、社団法人日本動物園水族館協会の種別調整対象種に指定されており、社団法人日本動物園水族館協会加盟園館の中から選ばれた種別調整者によって年に1回アンケート調査がおこなわれ、国内血統登録書が発行されてきた。大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)は、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)の一環として2002年度にスタートし、研究者と飼育施設とのネットワーク作りや、大型類人猿に関する情報整備などに取り組んできた。国内で飼育する大型類人猿の情報公開にも取り組み、社団法人日本動物園水族館協会の協力を得て、2008年度には国内で飼育されているすべての大型類人猿の個体ページをウェブサイトに公開した。また、2003年1月から2008年3月には、国内で大型類人猿を飼育している施設1つ1つを訪問し、全58施設の実地調査をおこなった。こうして収集した大型類人猿飼育施設や、飼育個体の写真や経歴などの情報をウェブサイトに追加し、国内血統登録書に掲載されていない個体情報も手に入れることができるようになった。2010年度にはすべての個体ページの英語版も完成した。これによって、インターネットに接続できるところなら世界中どこからでも、これらの情報を得られるようになっている(http://www.shigen.nig.ac.jp/gain)。現在は、グローバルCOE(阿形清和代表)と協力して、個体ごとのDNA情報や行動情報の追加をすすめ、データベースを整備している。また、個体基本情報・家系等の調査をおこない、過去に飼育されていた血統登録書に掲載されていない個体についても情報を追加している。現在飼育されている個体の中にも経歴が不明の個体が存在し、また血統登録がまだ整備されていなかった1970年代以前の情報が不足している。これらの問題を解決するためにも、多くの情報を収集していきたい。なお、こうした情報収集の過程で得られた死亡個体由来の試料については、京都大学霊長類研究所の共同利用事業として研究者に利用可能な状態にある。
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© 2011 日本霊長類学会
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