霊長類研究 Supplement
第28回日本霊長類学会大会
セッションID: B-01
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口頭発表
霊長類における乳児画像への選好性の検討
*佐藤 杏奈香田 啓貴Lemasson Alban南雲 純治正高 信男
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抄録
 乳児に特有な物理的特徴(大きな瞳や小さな鼻・口、広く突き出た額、丸い頬、短い四肢など)は、かわいいという「感情」を喚起し、鍵刺激となって、養育行動を引き出していると、動物行動学者のローレンツは提唱した。これはローレンツの幼児図式仮説と呼ばれている。幼児図式(乳児特有の物理的な特徴)は哺乳類と一部の鳥類に普遍的存在しており、ヒトに限らず他の動物種においても、同様な選好反応が期待されるはずだが、ヒト以外の動物ではほとんど検討されてこなかった。本研究では、ニホンザルとキャンベルズモンキーを対象に、視覚対呈示法を用いて乳児への選好性の有無について検討した。実験では、ニホンザルのオトナメスの全身写真と、乳児(0歳児)の全身写真を刺激として用い、対呈示して、その注視時間を分析した。その結果、ニホンザルにおいても、キャンベルズモンキーにおいても、乳児の画像に対して注視時間が長くなった。特に、キャンベルズモンキーでは、ニホンザルを見たことがないにもかかわらず、ニホンザルでの結果と同様に乳児画像に対する注視時間が長くなった。これら結果は、種を超えた選好性が存在している可能性を示唆している。本研究から、ヒト以外の動物における乳児画像に対する選好性について議論する。
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© 2012 日本霊長類学会
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