霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-81
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ポスター発表
餌資源制限下において小ジカは母親の影響をどれだけ受けるのか?
*東谷 宗光*松浦 友紀子*伊吾田 宏正*高橋 裕史*池田 敬*吉田 剛司*梶 光一
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抄録
 有蹄類では,若齢個体で多くの死亡が観察される.シカ類でも生後 1年間の死亡率が非常に高く,個体群全体の変動に最も影響を与える.新生子の生存に影響する要因として,出生体重や体サイズ,出生時期等があげられる.また,これらは母獣の繁殖生態学的特徴により影響を受けると考えられる.特に餌資源制限下では,個体の質にばらつきが大きいことから母獣の特徴が新生子の生存へ与える影響が,より顕著に表れることが予測される.そこで,洞爺湖中島において母獣の特徴が新生子の生存に関わる事項へ及ぼす影響を評価することを目的とした調査を実施した.
 2011年と 2012年の 3月から 6月に妊娠メス計 30頭に膣挿入型電波発信器(以下,VIT)を装着し,出産日の特定と新生子の捕獲を行った.その結果,13頭の出産日を特定し,新生子 13頭に耳標型電波発信器を装着した.出生直後から定期的に新生子の生存確認を行った結果,出生直後に 2頭,翌年4月に 3頭の死亡を観察した.
 捕獲した新生子のうち 9頭の出生日は, VITにより 6月 20日 -7月 13日と特定された.出生体重は,メス2200-4950g,オス 3600-4550gであった.また, 2012年から 2013年に捕殺した妊娠メス 24頭の胎子を採取し,外部計測を行った.胎子成長モデルから,これらの胎子は胎齢 55-247日と推定された.これらの値が新生子の生存に及ぼす影響について検討する.
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© 2013 日本霊長類学会
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