霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-162
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ポスター発表
岩手県五葉山地域におけるニホンジカ空中センサス
*堀野 眞一*千田 啓介
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抄録

 2013年 3月 25~ 28日に岩手県五葉山地域においてニホンジカの空中センサスを実施した.調査対象は五葉山山頂をほぼ中心とし,北を北緯 39度 18分,南を北緯 39度 1分,西を国道 340号線等,東を海岸線で囲まれた約 880km 2の地域である.航空機は BELL412型ヘリコプタ 2機を用いた.ヘリコプタはあらかじめ決められた調査ライン上を地上からの高度約100m,速度約 50km/hで飛行した.調査員はヘリコプタの左右に 2人ずつ搭乗し,飛行ラインの左右それぞれ約 100m幅の中で発見したシカについて記録した.記録項目は発見時刻,シカグループの個体数,性別,成獣・幼獣の別,移動している場合はその方角などである.結果の統計処理上必要な独立性を確保するため,左右の同じ側に乗った調査員の間での情報交換を一切禁じた.得られた結果は Petersen法により処理し,推定生息密度を求めた.その密度と調査対象面積から算出した生息頭数は 4996 ± 749頭(90%信頼限界)であった(四捨五入して 4250~ 5750頭と公式発表).この調査は過去にも同様の方法で 4回実施している.それらによる推定生息頭数はいずれも過少評価である可能性が高いが,調査方法を統一しているため相対的な比較をすることは可能である.過去の調査結果は,1993年 4500~ 6300頭,1997年 3000~4800頭,2000年 3200~ 5000頭,2007年 3300~ 4600頭であり,1993年から 1997年にかけてやや減少した後は大きな変化が認められないまま推移してきたこの地域の生息個体数が,最近になって増加傾向にあることがわかった.

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© 2013 日本霊長類学会
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