霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: A2-4
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口頭発表
貧栄養のシカの角はどう違うか?
*大貫 彩絵*高槻 成紀*南 正人
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抄録

  金華山島(以下「島」)のニホンジカは高密度なために慢性的な貧栄養状態にある.この角を岩手県五葉山(本土1)と長野県八ヶ岳(本土2)のそれと比較したところ,角の重さは本土2>本土1>島であり,同じ長さクラスでは島が有意に軽かった.密度 (g/cm 3)は本土1(1.7)>本土2(1.6)>島(1.5)の順であった.また角の断面形は本土 2はほぼ円形であったが,島は前後に扁平であった.これらの結果から,島集団は角への投資を最小限にしているが,長さを維持し,前後方向の負荷に強い変形をしていることが示唆された.

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© 2013 日本霊長類学会
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