抄録
【背景】ヒト乳児の四つ這いに関する定量的な研究は,十分になされていない.光学機器による分析では,立脚・遊脚の判断が正確でない.
【目的】ヒト乳児の四つ這いにおける,四肢の動きを,正確に記述すること.
【方法】典型的な四つ這いをしているヒト乳児 6名を対象とした.圧センサーマット BIG-MAT 2000(サンプリング80Hz)の上を四つ這いさせた.速度,1歩行周期,前肢・後肢の立脚期間,前肢・後肢の接地のタイミングを計算し,Hildebrand(1965)の Gait Graph上にプロットした.
【結果】16施行(3施行× 4名+ 2施行× 2名)が解析可能であった.1歩行周期中,後肢の立脚期間(平接地のタイミング(平均±標準偏差)は,同側後肢の接地の 42.0 ± 3.7%後であった.前肢の立脚期間(平均±標準偏差)は,後肢の立脚期間の 102.1 ± 9.5%であった.四肢の動きのパターンは,Walk-Lateral Sequence-Diagonal Coupletか Trotであった.四つ這いの速度と 1歩行周期との間には,強い負の相関があった(相関係数-0.875,p=0.000)
【考察】われわれの結果(.) は,過去の研究に比べ,1歩行周期における立脚期間の割合が大きかった.動きのパターンは一致していた.光学機器を用いた過去の研究に比べ,サンプリング周波数が比較的高く,立脚期を圧センサーマットで直接計測した我々の研究の方が,より正確に動きを記述できたと考える.