抄録
北海道紋別郡西興部村では 2004年度より,村全域(面積308km2)を鳥獣保護法に基づく猟区に設定している.猟区とは,都道府県の認可を受けた管理者がある程度独自に狩猟管理できる制度であるため,野生動物の地域主体管理の枠組みとして期待される.同村では,地元ガイド付きのエゾシカ入猟事業および狩猟者教育授業を実施している.2013年度で認可の期限切れとなるため,村では次期 10年間の認可取得に向けて準備をしている.これに向けて,著者らはこれまでの 10年間の管理活動の総括と次期管理計画素案の作成を行った.2012年度までの 9年間で,のべ 588名の村外狩猟者が,のべ1214日入猟し,のべ 1323頭のエゾシカ(メス 599頭,オス 724頭)を収獲した.この他,村内狩猟者による個体数調整捕獲および学術捕獲によって,1084頭のエゾシカ(メス 644頭,オス 440頭)が捕獲されている.また,捕獲解体実習を含む,のべ 58回の狩猟セミナーが開催され,のべ 812名(うち 70名は狩猟者)の参加があった.ライトセンサス法による個体数指数のモニタリング結果として,近年は 80頭/ 10km程度で横ばいしている.これは現行の同猟区管理計画による目標レベル(20~60頭/10km)を 3割前後上回った状況である.次期計画では目標レベルの再検討を行い,個体数管理のための管理方策を提案する.