霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: B2-5
会議情報

口頭発表
森林内におけるストーキングや待ち伏せによる射撃とくくりわなを用いたニホンジカの捕獲
*大橋 正孝*小泉 透*荒木 良太*坂元 邦夫*早川 五男*岩崎 秀志*大場 孝裕*大竹 正剛*山田 晋也*伊藤 愛
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抄録
 2012年 1月から 2月に,富士山南西麓の国有林内で林道沿いの複数の給餌場間を車で移動しながら,遭遇したシカを車内(停車した状態から)から狙撃する誘引捕獲を行った.その結果,射手1人1時間当り 1.2頭と従来の巻狩りの 40倍となる高効率な捕獲が実証されたが,一方でササなどの下層植生が残っている環境では,誘引に時間が掛かり,見通しも悪いため流し猟的射撃にも適さないことが明らかとなった.
 そこで 2012年 8月 27日から 11月 30日の 96日間に,下層植生が残り誘引狙撃に適さない約 1,400haの区域で,2名の専門的捕獲技術者がストーキングや人勢子による誘導と待ち伏せなど銃による狙撃とくくりわなによる捕獲を行った.銃による捕獲は,安全確保のため,平日のみ行い,また,日中は区域内で間伐作業が計画されていたことから,作業時間を日の出から間伐の作業員が来るまでの1~2時間として実施した.狙撃対象を3頭以下として4頭以上の群れは見送り,対象の群れに対しては反動の少ないライフルで優位な個体から可能な限り頭頸部を射撃して即倒させた.
 この結果,狙撃により 185頭(67日間),わなにより 62頭(1日平均 40.5基,95晩設置),合計で247頭を捕獲した.捕獲実施区域内では 100ha当たり 17.6頭の個体数が削減できたこととなる.狙撃による捕獲の効率は平均で1人1時間当たり 0.9頭と高く,また,効率的な捕獲が継続して可能であった.シカの過密化が進む地域で下層植生が衰退,消滅する前に効率的に個体数を削減する手法として期待される.
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© 2013 日本霊長類学会
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