霊長類研究 Supplement
第30回日本霊長類学会大会
セッションID: B18
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口頭発表
ミトコンドリアDNA標識を用いたニホンザルオスの地域個体群間の移動の検討
*森光 由樹, *鈴木 克哉, *川本 芳
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抄録
目的)孤立したニホンザルの群れは、他の群れと繁殖する機会が少なくなり、遺伝的交流が阻害され遺伝的多様性が失われていく可能性がある。ニホンザルの保全を考える上で、群れ間でのオスの移動情報は重要である。オスの場合、ミトコンドリアDNA(mtDNA)は1代限りで消失し、次世代には伝達されない。したがって、この特徴を利用すれば、成獣オスとその群れのメスや子供のmtDNAのハプロタイプを比較することで、オスの移出入を調べることが可能となる。保全上重要なデータになると考えられる。
(方法)兵庫県内4つの地域個体群(美方、城崎、大河内、篠山)について、分析を行った。それぞれの地域個体群に所属している成獣オス7頭、計28頭を捕獲し、血液を採取し分析の試料とした。塩基配列の解読はPCRダイレクトシーケンス法を用いてmtDNA Dループ超可変領域2(HVR2)412塩基対について実施した.解読したmtDNAの塩基配列と兵庫県および隣接する京都府および鳥取県に生息している地域個体群メスのmtDNA塩基配列のデータと照合し、移動について検証を行った。
(結果)分析した成獣オス28頭のうち23頭は、生息している地域個体群(メス及び子供)とは異なるハプロタイプを示した。美方地域個体群のオス4頭は大河内地域個体群、佐用地域個体群、篠山地域個体群、若狭地域個体群(鳥取)のハプロタイプ、城崎地域個体群のオス7頭は、美方地域個体群、篠山地域個体群、若狭地域個体群のハプロタイプ、篠山地域個体群のオス5頭は、篠山個体群とは異なるJN21JN35JN6と同一のハプロタイプ、大河内個体群のオス7頭は、すべて美方地域個体群のハプロタイプを示した。地域個体群間でオスの移動が認められた。
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© 2014 日本霊長類学会
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