霊長類研究 Supplement
第32回日本霊長類学会大会
セッションID: A14
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口頭発表
大きな鼻をもつテングザルの雄はモテるのか?
松田 一希John SHAIsmon OSMANSen NATHANDanica STARKBenoit GOOSSENSDiana RAMIREZ村井 勅裕清野 悟香田 啓貴
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抄録

東南アジア・ボルネオ島の固有種であるテングザルは、体格、鼻の形態に顕著な性的二型がみられる。雄は雌の2倍もの重量を有し(約20kg)、長く伸びた大きな鼻が特徴的である。これらの一連の雌雄差は、性選択による産物だと逸話的に語られてきた。しかし、それがどのようなメカニズムを経て進化し、その進化にどういった意味があるのかはわかっていない。私たちは、テングザル雄の鼻の肥大化に、その音声が密接な影響を与えていると考え、異なる大きさの鼻をもつ雄の音声、体重の関係性を検討した。また、人工的に操作した雄の音声を使ってのプレイバック実験、野生下における異なる大きさの鼻をもつ雄に対する雌の選好性も検討した。本講演では、飼育下、野生下のテングザルから明らかになった、雄の鼻の肥大化が促された進化要因の一端を議論する。

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© 2016 日本霊長類学会
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