2016 年 8 巻 4 号 p. 450-453
症例の概要:患者は初診時64歳の男性,口底癌部分切除後の舌運動障害と重度歯周疾患により生じた歯の動揺による咀嚼困難を主訴として当科を受診した.
歯周基本治療と固定性補綴装置による一次固定ならびに治療用義歯によるフレンジ形態修正後,その形態を再現した部分床義歯を装着し機能回復を行った.治療前後の機能評価には口腔関連QOLと咀嚼スコアおよび患者満足度アンケートを実施した.
考察:最終補綴治療後は咀嚼スコアと患者満足度に著しい改善が認められた.喪失歯を最小限に抑え,残存歯を可及的に保存することは予後を左右する重要な点であった.
結論:上下顎固定性補綴装置と機能運動に調和した義歯床フレンジ形態の決定により,適切な機能回復が可能となった.