霊長類研究 Supplement
第32回日本霊長類学会大会
セッションID: B02
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口頭発表
多様な色覚・食性を持つ新世界ザル類に対する味覚受容体遺伝子レパートリーの種間及び種内比較解析
林 真広C. C. VeilleuxE. C. GarrettA. D. Melin今井 啓雄河村 正二
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抄録

味覚・嗅覚・フェロモン知覚などの化学物質感覚(ケミカルセンス)と視覚は相互に関連して進化してきたと考えられ、中でも味覚は食性の影響を受け、味覚受容体遺伝子の機能や数を変化させてきたことが予想されている。しかし、霊長類全体として食性と味覚の関連性はまだ明らかでなく、特に多様な食性を持つ新世界ザルの味覚はほとんど調べられていない。新世界ザルは多くの種で種内に2色型色覚と3色型色覚の多型があり、種間においても色覚型が異なることが報告されている。また、色覚はケミカルセンスの中でも嗅覚との関係はよく研究されているが、味覚との関連に関する研究は少ない。そこで本研究では食性や色覚が多様な新世界ザルを対象に、味覚受容体のうち視覚センサー(オプシン)や嗅覚受容体と同じGPCRファミリーに属する旨味・甘味受容体(TAS1Rs)と苦味受容体(TAS2Rs)について、遺伝子の種間相違と種内変異を明らかにすることを目的とした。種間相違を調べるために、新世界ザル全3科と多様な色覚型を網羅して、フサオマキザル(オマキザル亜科:3アリル2-3色型色覚)、セマダラタマリン(マーモセット亜科:3アリル2-3色型色覚)、アザレヨザル(ヨザル亜科:1色型色盲)、チュウベイクモザル(クモザル亜科:2アリル2-3色型色覚)、マントホエザル(ホエザル亜科:恒常3色型色覚)、ダスキーティティ(ティティ亜科:3アリル2-3色型色覚)を対象に、各1個体の高純度ゲノムに対するTAS1RsTAS2Rsのターゲットキャプチャーと次世代シークエンシングを行った。一方、種内変異を調べるために、ノドジロオマキザルとチュウベイモザルの野生群を対象に、糞サンプルから抽出したDNAを用いて、リガンド感受性の幅が異なることがヒトで知られている一部のTAS2R遺伝子(TAS2R3,5,10,38)に対し、PCRとサンガーシーケンシングを行った。本発表ではその経過について報告する。

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© 2016 日本霊長類学会
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