霊長類研究 Supplement
第33回日本霊長類学会大会
セッションID: P29
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ポスター発表
ニホンザル野生群における子育てスタイルとその決定要因
*関澤 麻伊沙沓掛 展之
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抄録

霊長類において,生後半年までの子育てには個体差があることが古くから論じられてきた。先行研究では,子育てスタイルを構成する要素は主成分分析によって,保護性と拒否性が最もよく抽出されている。しかし,多くの先行研究は飼育群,もしくは餌付け群において行われてきた。本研究では,野生群においても,先行研究と同様に子育てスタイルにおいて2つの成分が抽出されるか,また,子育てスタイルを生み出す要因は何かを明らかにすることを目的とした。宮城県金華山においてA群を対象に,2014~2016年の4~7月にかけて,アカンボウとその母親全24ペアの行動をアカンボウが生後3か月を過ぎるまで観察した。(総観察時間:約1206時間)。記録項目は,母子間接触/分離(どちらから接触/分離したか),母子間距離(1m以内か否か),母親からアカンボウへの毛づくろい,母親によるアカンボウの抱擁,アカンボウの接触に対する母親の拒否的行動,母親によるアカンボウへの拘束,の6つである。これらの項目を用いて,主成分分析を行い,ニホンザル野生群における子育てスタイルの構成要素を抽出する。発表では,主成分分析の結果および,抽出された要素が母親及びアカンボウのどのような性質(母親の年齢・順位・子育て経験,アカンボウの性別・週齢)によって決定され得るのかについて議論する。

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© 2017 日本霊長類学会
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