霊長類研究 Supplement
第35回日本霊長類学会大会
セッションID: A19
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口頭発表
自動撮影装置を用いたニホンザル個体数カウント法の検討
*森光 由樹
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抄録

ニホンザルの地域個体群を保全,管理する上で個体数調査は重要なデータである。特定鳥獣管理計画において,定期的なモニタリング調査が実施されている。繁殖率や死亡率をモニタリングし,個体群動態予測にも利用されている。ニホンザルの個体数カウントで最もよく用いられる直接観察法は,精度が高い方法である。しかし直接観察法は,ニホンザルが調査員を忌避し,カウントできない状況をしばしば経験する。また,群れを長時間追跡し,調査員を複数人配置する必要もあり労力がかかっていた。そこで,報告者は群れがよく利用する場所に自動撮影装置を複数台設置し,カウント法の可能性について検証したので報告する。兵庫県神河町に生息している神河B群,C1群,C2群は電波発信器が装着されている。電波発信器を用いた,これまでの行動圏情報から群れがよく利用し移動する林道に,自動撮影カメラBushnellトロフィーカム,model119456を15台,30日間設置した。自動撮影カメラの設置は,10m,15m,20m,30m間隔で設置し動画データから,性年齢の判別が可能か試験を行った。自動撮影装置でカウントした最大の個体数と直接観察法でカウントしたデータを照合し精度を検証した。B群は7回,C1群は12回,C2群は10回,動画撮影に成功した。自動撮影法のカウントデータは,直接観察法の結果と比較してB群2頭,C1群5頭,C2群1頭少ない頭数結果であった。モニタリングデータとして利用可能であった。今回,試験した群れは30頭〜70頭の群れである。今後,100頭を超えるような頭数の多い群れで同法が利用可能か検証する予定である。

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© 2019 日本霊長類学会
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