主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 35
開催地: 熊本
開催日: 2019/07/12 - 2019/07/14
合成ロングリードライブラリ作製技術の進歩により,霊長類ゲノムクラス(約3Gb)の新規ゲノム配列を安価に決定できるようになってきた。本研究では,この合成ロングリードライブラリ作製技術を用いて,類人猿の中で属レベルでのゲノム配列の報告がないテナガザル3属(フーロックテナガザル(Hoolock)属,テナガザル(Hylobates)属,フクロテナガザル(Symphalangus)属)の新規ゲノム配列の決定を行った。テナガザル科は属ごとに異なる核型を持ち(Hoolock属:2n = 38,Hylobates属:2n = 44,Symphalangus属:2n = 50,Nomascus属:2n = 52),核型進化の解析の良いモデルとなる。解析の結果,ゲノムのつながりの良さを示すscaffold N50長が,それぞれ27.9 Mb,38.7 Mb,36.7 Mbという良質なゲノム配列を得た。これらの3属のゲノム配列に加えて,すでにゲノム配列の報告があるクロテナガザル(Nomascus)属のゲノム配列(scaffold N50 = 52.9 Mb)を用いて,テナガザル科4属の大規模構造変化・核型進化の解析を行った結果を報告する。