霊長類研究 Supplement
第36回日本霊長類学会大会
セッションID: P41
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ポスター発表
ボルネオ島ダナムバレイ保護区における果実生産量とオランウータンの密度 -2019年に起きた一斉結実を含む15 年間の季節変化-
金森 朝子久世 濃子Bernard HenryMalim Peter T.幸島 司郎
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抄録

我々は、2004年よりマレーシア・サバ州に位置するダナムバレイ森林保護区で、ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus morio)を対象に、果実生産量とオランウータンの密度の関連性を調査してきた。オランウータンが生息する東南アジアの熱帯雨林では、2-10年に1度、多くの樹種が一斉に開花・結実する「一斉結実」と呼ばれる現象が起こる。ダナムバレイ保護区では、2005年、2010年、そして2019年に大規模な一斉結実が起きた。果実食性の強いオランウータンが、3回の一斉結実にどのように対応しているのかを報告する。 果実量調査と密度調査は、ダナムバレイ区内にある観光用宿泊施設周辺2km2において、総延長16kmのトレイルを用いて行った。2カ月毎に行ったネストセンサスの結果、オランウータンの平均密度は1.3 ± SE0.1 頭/km2、0.3-4.4 頭/km2の変動が見られた。3回の一斉結実において、2005年は最大4.4頭/km2、2010年は2.7頭/km2、2019年は2.1頭/km2に、それぞれ一時的に増加した。それ以外の果実ピーク期でも密度のピークとおおよそ一致し、果実量と密度との有意な相関関係が見られた。 これらの結果から、オランウータンは果実を求めて本調査地へ流入および流出していたことが示唆された。このような移動は、果実生産量が少ない期間が長く、かつ、変動が大きいボルネオ島の低地混交フタバガキ林で生きるために必要な行動であると考えられる。

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© 2020 日本霊長類学会
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