霊長類研究 Supplement
第37回日本霊長類学会大会
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自由集会
筋骨格形態と動作解析から探る霊長類体幹の機能学的解釈
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p. 12

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抄録

日時:2021年7月16日(金) 15:00―17:00

形式:Zoom によるオンライン配信

体幹は四足動物における移動運動の際、動作の軸となり体肢のアンカーとなっているため、霊長類における様々なロコモーション様式に適応した形を理解するためには、非常に重要な研究ターゲットとなり得る。しかしながら、体幹形態を主眼に置いた霊長類研究は体肢に比べ圧倒的に少ない。それは、体肢はダイレクトに支持基体と接し、筋骨格構造が体幹に比べ整理しやすく、動作の機能形態学的解釈が直接的に可能である一方、体幹は支持基体とは離れており、体肢に比べ筋骨格構造が複雑で理解が難しいことが一因となっている。体幹の複雑さは、椎間円板や靭帯、そして固有背筋などが体幹全長にわたり椎骨に張り付いて存在し、椎骨、肋骨、胸骨が胸郭を構成することで一塊の構造物となっているためと考えられる。しかも、一塊となって動くため体肢と比較すると動きはむしろ小さい。このような理由から、体幹の形態分析や動作解析によって得られた機能形態学的解釈には困難を要し、体幹は取っつきにくい、分析しにくい研究対象と捉えられがちであった。しかしながら、徐々に新規の分析方法が導入され、今まで可視化することが難しかった分析しにくい構造でも、新しい視点から体幹を定量的に見ることができるようになってきた。本集会では様々な研究手法により得られた異なる分析結果を突き合わせることで、新たな知見が見いだせるか検討する。紹介を予定している研究手法は、三次元幾何学的形態測定学による胸椎形状分析、筋線維タイプと筋構築解析、筋形態と神経配置分析、三次元動作解析、表面筋電図分析、ビデオ動作解析である。

プログラム

1.霊長類・上位胸椎の形状変異から見た機能形態学的解釈

    菊池泰弘(佐賀大・医)

2.筋線維タイプ構成と筋構築からみた固有背筋の形態と機能

    小島龍平(埼玉医大・保健医療)

3.脊髄神経後枝内側枝と横突棘筋形態から考える霊長類体幹機能―比較解剖学、肉眼解剖学的視点から―

    布施裕子(リハビリテーション天草病院)

4.二足歩行時の体幹部の三次元動作解析―ヒト、テナガザル、ニホンザルの比較―

    木下勇貴(京都大・霊長研)

5.ヒトの雲梯動作時の体幹筋活動

    岡健司(大阪河﨑リハ大・リハ・理学療法)

6.反復回転運動としてのロコモーションから見たヒト二足歩行の進化

    藤野健(Ken's Veterinary Clinic Tokyo)

責任者:菊池泰弘(佐賀大・医)、藤野健(Ken's Veterinary Clinic Tokyo)

© 2021 日本霊長類学会
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