主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 37
開催地: オンライン開催
開催日: 2021/07/16 - 2021/07/18
p. 33-34
房総半島に生息している外来種アカゲザルの根絶に向けて,千葉県は2005年より捕獲を実施している。外来種根絶で重要な情報は,完全排除を証明することであるが,それには5〜10年間,生息情報無いことが必要である。根絶を証明するためには,多くの時間と現地踏査が必要であり労力がかかる。そこで報告者は,2021年2月8日,千葉県南房総に生息しているアカゲザル(ウルシ群)に,超小型ビデオカメラ(GPS電波発信器付)を装着し,アカゲザルおよび交雑個体を含む群れの生息状況を把握する手法について検討した。使用したGPS首輪は(GLT-02,サーキットデザイン)を用いた。ビデオは市販のカメラ(CHOBi CAM Pro, Japan Trust Technology)を改造した。マイコンPeripheral Interface Controller(PIC)を利用して撮影スケジュール設定を行った。スケジュールは,朝7時から17時まで10分の休止時間をおいて1撮影30秒間撮影を実施した。1日の撮影回数は54回,合計27分間に設定した。アカゲザル成獣に機材装着させた後,放獣し約4週間後,機材をドロップオフ装置にて脱落させ,機材の回収を行った。動画解析により,サル(群れ)が映っていないか画像データの精査を行った。その結果,動画成功時間は,10日間,(222分30秒)で,アカゲザルまたは交雑個体が画像に最大3頭確認することができた。画像解析から,各個体の尾の長さ,性年齢区分で個体識別すると少なくとも7頭生息していることを確認することができた。開発中の首輪型ビデオ装置は,アカゲザル・交雑個体の生息状況を把握する方法として活用できる可能性がある。 また将来,地域からアカゲザルの群れの根絶を検討するためのモニタリングの資料になると考えられた。