霊長類研究 Supplement
第37回日本霊長類学会大会
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中高生発表
チンパンジーとボノボとの出会い
〜熊本サンクチュアリにて〜
三上 隆太町田 悠太井野元 隆司
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p. 57

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抄録

2019年に横浜で開催されたTokyo International Conference on African Development: TICAD7関連のイベントで制圧すべき熱帯病がアフリカにはまだあることを知った。その一つであるハンセン病の原因菌はヒトのみならず, チンパンジーにも感染することを学んだ。そして, ハンセン病を克服したチンパンジーが熊本にあるサンクチュアリで暮らしていることを知り, 研修に伺った。サンクチュアリでは, 50人のチンパンジーや貴重な6人のボノボとの出会いがあり, 衝撃を受けた。サンクチュアリに暮らす個体たちには, テレビや動物園では知ることのできない各々の事情があった。Pan属のチンパンジー, ボノボともに絶滅危惧種となっているが, その歴史, 背景, 特徴について研修を受けるとともに今回, 文献研究を行い, 2種の比較を中心にまとめた。<方法>研修内容のまとめとともに, インターネットや論文検索をおこない, レポートを作成する。<結果>各々の特徴の一部を記載する。チンパンジーについて①攻撃的で男性優位社会。②多様な道具を使う。③体型がしっかりしている。④食事分配はオスが中心。⑤異なる集団で食物分配は成立しない。⑥水が怖い。一方, ボノボの特徴は①平和的で女性優位社会。②自然界では道具を使うことは少ない。③体型は細く四肢も細長く, チンパンジーより直立二足歩行が得意。④メス中心の採集スタイル。果実を分配して食べる。⑤性行為で問題解決(ホカホカなど)。⑥水が好き。⑦コンゴ民主共和国の固有種。<考察>チンパンジーとボノボとが分岐したのは約100万年前とされているが謎に包まれている点が多い。生息地や各々の特徴を獲得していった背景には環境も影響していたことが推測された。

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