霊長類研究 Supplement
第40回日本霊長類学会大会
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ポスター発表
野生個体と飼育個体の間で、人とチンパンジーの関係を考える:シエラレオネ国タクガマ・チンパンジー・サンクチュアリの事例
樺澤 麻美
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 102

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抄録
タクガマ・チンパンジー・サンクチュアリは、1995年、チンパンジーの違法ペット取引取締によって「孤児」となった個体を保護飼育する目的で、西アフリカのシエラレオネの首都フリータウンに近接するウェスタン・エリア・ペニンシュラ国立公園(当時は保護地区)に設立された。同国立公園は絶滅危惧種である西アフリカチンパンジー(Pan troglodytes verus)生息域に位置し、2010年の調査では約55個体が生息していると推定された。過去には、サンクチュアリ施設で2個体の野生のメスが観察されたことはあったが、近年は野生個体の声が聞こえるのみで、施設の近くで野生個体が直接観察されることはなかった。しかし、2023年10月から2024年3月にかけて、サンクチュアリ周辺で野生チンパンジー群が頻繁に行動していることが直接観察やカメラトラップにより明らかになった。現在、サンクチュアリでは120個体が保護飼育されている。本発表では、この「野生チンパンジーの接近」という事象が起きた時、サンクチュアリで「保護されているチンパンジー」を飼育または観察する人々(職員、ボランティア、研究者、訪問客等)は、この事象にどのように反応し、どのように解釈したか、そして「野生個体保全」と「飼育個体の福祉」を標榜する生息地のサンクチュアリとしての対応策について分析し、同サンクチュアリでの「野生」と「飼育」、そしてチンパンジーと人の関わり方について考察する。また野生チンパンジーのサンクチュアリに近づいた要因、生息状況、行動範囲等に関する調査の必要性について述べる。
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© 2024 日本霊長類学会

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