霊長類研究 Supplement
第40回日本霊長類学会大会
会議情報

口頭発表
カオクラプック・カオタオモー保護区に生息するベニガオザルの保全状況:個体数変化の動向と周辺環境の変化が遊動域に与えた影響について
豊田 有丸橋 珠樹Malaivijitnond SuchindaHengsawang Damrongsak杉田 暁松田 一希
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 40

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抄録
カオクラプック・カオタオモー保護区はタイ王国ペッチャブリー県に位置するタイ国立公園野生動物植物保全局(Department of National Parks, Wildlife and Plant Conservation of Thailand、以下DNPT)管轄の保護区(禁猟区)である。この場所は、野生のベニガオザル集団が確認されたことを機に国立公園に準ずる保護区(禁猟区)に指定され、現在までDNPTによって維持管理されている。1988年当時、確認された地域集団は22頭であったとされるが、現在は6群、計460頭以上にまで増加している。ある意味で絶滅寸前の地域個体群の保護保全に「成功」しているかのように見える保護区であるが、急激な個体数増加に加えて、保護区周辺の土地開発が進んだ影響で、周辺農地への猿害が近年顕在化しつつある。こうした背景を踏まえ、今後の長期的な保護保全計画策定に資する知見を提供する目的で、当保護区で研究が開始された2012年以後の個体数の変動と、各群れの遊動域の変化および保護区周辺の土地環境の変化が遊動域に与えた影響などを検証した。個体数変動および遊動域は過去10年間の調査者によるデータを用いて変化を分析した。保護区周辺の土地環境の変化は、対象区画の衛星画像を時系列的に解析し(主に雑木林の伐採と農地拡大の割合など)、これらが遊動域に影響を与えているかどうかを検証した。本発表ではこれらの分析結果に加え、周辺の農地で実施される猿害対策などについても紹介する。
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