霊長類研究 Supplement
第41回日本霊長類学会大会
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ポスター発表
予報: ガボン、ムカラバ-ドゥドゥ国立公園に生息するニシローランドゴリラにおける群れ内の個体間の活動の同調
竹ノ下 祐二Ghislain Wilfried EBANG-ELLA田村 大也藤田 志歩Etienne François AKOMO-OKOUÉ
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 126

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抄録
【背景・目的】群れで生活する動物にとって、個体間の活動を同調させることは群れのまとまりを維持する上で重要である。しかし、各個体の栄養要求や移動能力に差異があるため、活動の同調には相応のコストが伴う。先行研究によれば、シカでは性別や発達段階、繁殖状態が異なる異質性の高い群れでは、均質性の高い群れと比較して活動同調コストが高く、群れの凝集性は低くなるとされている。ニシローランドゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)は一夫多妻型の群れを形成するが、体サイズの性的二型が顕著であり、オトナとコドモの体格差も大きい。ゆえに、異なる性や発達段階の個体間で栄養要求の差異が大きく、そのため群れ内の個体は高い活動同調コストを被っていると推測される。それにもかかわらず、ゴリラの群れの凝集性は高い。本研究においては、ニシローランドゴリラの群れがどのように活動同調のコストを軽減し、凝集性を維持しているかについて検討することを目的とする。【方法】2024年8月、ガボン共和国ムカラバ-ドゥドゥ国立公園にて予備調査を実施した。人づけされた群れ(ニダイ群)を対象に、シルバーバック1頭(PN)および授乳中のオトナメス2頭(NG、OV)を対象に、5分間隔のスキャンサンプリング法により活動(採食・移動・休息・その他)を記録した【結果】3個体の活動は平均して約7割が同調しており、同調率に関する個体の組み合わせ間で顕著な違いは認められなかった。しかし、採食品目まで考慮した分析においては、シルバーバックとメスの間の同調率は約5割に低下した。【考察】これにより、ゴリラの活動同調コストはメス間よりも体格の異なるシルバーバックとメスの間でより高いこと、また、シルバーバックとメスは活動自体は同調させながらも、同じ時に異なる食物を採食することでそのコストを緩和していることが示唆された。
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