車両感知器による感知交通量には、感知特性の経年変化、車線境界を跨いだ走行などとの組合せにより、十数パーセント程度のバイアス誤差が含まれる場合がある。これにより、交通シミュレーションにおいて、車両保存則が成立しないまま重要パラメータが設定されると、安定性および精度に少なからぬ影響を与える可能性があることから、感知交通量のバイアス誤差の検出と補正は重要である。本研究は、環状区間と4 枝ジャンクションを有する仮想都市高速道路網を対象とし、交通シミュレーションの出力に偶然誤差およびバイアス誤差を含めて仮想感知交通量を生成し、渋滞時・非渋滞時別のバイアス補正係数値を推定した。その結果、カルマンフィルタの出力である推定誤差分散を目安とすれば、推定誤差を一定程度に抑制できる可能性を示した。