霊長類研究 Supplement
第41回日本霊長類学会大会
会議情報

ポスター発表
伊谷純一郎氏の研究資料のアーカイブ化に向けた取り組み
新宅 勇太
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 134

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抄録
個人の研究に関する一連の一次資料が、研究資源として大学や博物館などで保存が行われているケースがある。それは単に個人の研究および思考の過程を示すものであるだけでない。学問分野そのもの歴史を語る情報でもあり、特に人類学を中心としたフィールドワークの分野においては、ある時代の文化や生活様式などを記録したものとして、さらなる研究の可能性をもつ資料でもある。日本モンキーセンター(JMC)では2024年7月に伊谷純一郎氏(1926-2001)の研究資料の寄託を受けた。これはフィールドノート約490冊、台紙に張られた写真4200点のほか、記録カード、ネガやスライド、アルバム類、講演原稿や書籍原稿などを含む大規模な資料群である。また、スライドやフィルムについてはデジタルスキャンがすでにおこなわれており、12800件のデジタルデータも保存されている。この中には1950年代の幸島や高崎山、屋久島での調査記録、さらにJMCが組織したアフリカ大型類人猿調査(1958年)など、日本の霊長類学草創期の資料が含まれており、霊長類学史を語る上で重要である。それだけでなく、調査当時の現地の人々の暮らしなども記録された、人類学的な有用性も含む資料である。一方でネガフィルムではビネガーシンドロームが進行するなど、資料そのものの劣化が課題となっており、保存のためには劣化への対応も必要となっている。本発表では、現在進めている資料群の確認と整理作業の状況、保存のための処置などについて報告する。
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