海上空港などの大規模な埋立工事では, 大型の土運船を使用して短時間に大量の土砂を直接投入する工法が多く用いられている.土運船の環境影響については, 土砂や濁水塊の落下挙動に関する研究が多く行われているが, 従来の研究では投入土砂から発生する気泡流の影響を考慮しておらず, 気泡流によって生じる水面付近の濁りを十分に再現できていない.本研究では気泡流に伴う濁りの発生現象を明らかにするために, 大型水槽を用いて土砂投入実験を行い, 投入土砂の間隙量 (気相) と気泡の発生量の関係について調べた.その結果, 投入土砂の落下時間が短いほど, 気泡の発生率が高くなる傾向があることが分かった.
