抄録
徳島県内の災害環境の異なる4中学校を対象として, 防災教育の進め方や地域特性がその効果にどのような影響を与えるのかについてアンケート調査等を通して調べた. 防災教育効果としてはフィールドワークなどの生徒の自主的活動を重視するいわゆる「引き出し型学習」を行うことで防災に対する関心度を維持し高めることが可能であるが, 防災に対する知識を提供するいわゆる「仕込み型学習」では防災教育を受けたことによる満足感のため, 逆に防災に対する関心を低下させることもあることがわかった. 津波の危険度の高い県南の中学校では防災教育の有無に関わらず, 津波防災に関して災害に対する基礎知識は有していたが, 引出し型学習を行うことで防災に対する高い関心を引き出すことが可能であることがわかった.