抄録
最近の情報システムでは,より複雑な構造と多彩なタイプのデータが混在したコンテンツを使う機会が急速に増え,複雑な構造を持たせたまま電子的に流通させる必要性 も高まっている. 例えば電子書籍は,従来の紙の書籍の制約を越えて,対話性と細粒度セキュリティが求められると考えられる.そうした要求を満たす電子化文書管理システムをクラウド環境上に展開することを提案する.
本論文では, 今後,患者個人が管理し複数の医療機関で共有利用されることが期待される電子カルテ (EMR),個人保健情報 (PMR) を例として, 主にセキュリティの観点から, 構築中の試作システムを紹介する.